セーリングヨットハーモニーⅥによる世界一周航海


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10月21日 タンジュン ケラヤン、結婚式へ出席

10月18日、テンダーのエンジン用のガソリンと清水20Lボトル12本を調達。夕方、ラリーコミッティーのマディーに誘われ、ディンギーを引き上げたビーチから100mほど西にある、例の立派な施設の前で行われている舞踊ショーを見に出かける。この晩の男性による踊りは、この島に住んでいるバリ人の踊りとのことだった。

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  この島のバリ人の若者による踊り

10月20日午前中、マディーに車を手配してもらって、ラリーのドイツ艇、「Y'Not」のカップル(グンター、ウタ)と一緒に、町へ買い物に出かける。今日のドライバーは町まで34kmと言っていた。往復半日チャーターで250,000ルピア(約2000円)。こちらの値段としては安くはない。

道中、ドイツ人グンターといろいろ話す。グンターとウタは二人ともバツイチ。ドイツの離婚率、出生率、エネルギー事情、EUの経済情勢等々。ドイツは、原発廃止の政策を取っている。彼も原発は反対だが、風力発電の風車が家の近くにあれば鬱陶しいし、ソーラーパネルで屋根を覆うのも好きではない。難しい問題だと言っていた。

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  ドイツ人グンターとウタ

野菜、牛肉、烏賊、小魚の干したもの等を買い、豚肉はあるかと聞いてみると、ドライバーがローカルマーケットのはずれの小さな建物へ連れて行ってくれて買うことができた。この島はモスリム90%以上の土地柄、豚肉はローカルマーケットの隅で密かに売られていた。

ワインを買いたいと言うと大きなスーパーへ連れて行かれたが、そこには売っていなかった。他の食料を仕入れる。ビールは何とかなるが、それ以外のアルコール類の入手は難しい。

その足で博物館に寄る。近年の歴史的な展示品や、この島の錫の鉱石採掘の歴史が展示されていた。錫はこの島の主たる産業だそうだが、埋蔵量的にも先が見えてきたので、観光産業や他の産業を模索しているところだそうだ。

隣に動物園が併設されていて、ウタがスマトラのオランウータンが1匹檻に入っているのを見たが、寂しそうだったと言っていた。ドライバーは、自分が子供の頃あの雌のオランウータンを見たので、もう40歳近くだろう。彼女は他のオランウータンとなかなかカップルにならないそうだ。オランウータンは世界中で、ボルネオ島とスマトラ島にしか生息していない。

帰り道、ドライバーに、私の娘が明日結婚式を挙げるので出席しませんかと誘われた。インドネシアのローカルの結婚式に出席することにした。

翌10月21日朝8時半、小雨模様の中、ディンギーでビーチのレストランへ上陸すると別のドライバーが迎えに来てくれていて、コミッティーのマディー、グンター、ウタと一緒に花嫁の父親の家へ向かう。近づくと庭のあちこちにテントが張られ、その下に置かれた椅子に大勢の人が座っている。裏庭では大勢の女性が料理を作っている。

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  花嫁の実家は人が一杯だ

例の昨日のドライバーがいて英語で説明してくれるが、どうやら彼の英語力と語彙力の問題で、今日の花嫁は彼の娘ではなく、彼の奥さんの妹の結婚式だそうだ。彼の奥さんにも会ったが、彼女は、小・中学校の英語の先生だそうだ。小学生も片言の英語を話す。

そのうち、花婿の一団が、近くの家から歩いてこちらへ向かってくる、花嫁の家の前で代理人同士が、たぶん、入れてくれとか娘さんをくださいとか言って、押し問答しているようだ。これが慣わしらしい。言葉がわからないが、時々観客から笑い声が聞こえる。面白いやり取りがあるのかもしれない。

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  花婿の一団が歩いて花嫁の実家へ向かってくる

これがかなり続いた後、やっと花婿が花嫁の実家へ入り、中で長老たちに囲まれて式をあげているようだ。アラビア語のイスラムのお祈りのようなものも一部聞こえる。中に入って写真を撮ってもいいですよといわれ中に入ってみる。まだ花嫁は一番奥の部屋にいた。それから二人は長老たち全員と挨拶を交わす。

その頃、列席者に順番にお皿と飲み物が配られ、食事をいただく。その後やっと新郎新婦が外へ出来て、テントの下の装飾を施した壁の前でお披露目。

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  新郎新婦がテントの下の装飾を施した壁の前でお披露目

列席者は順番に、テントの前に置かれた箱に封筒に入れたお祝い金を入れ、一人ずつ新郎新婦と握手しながらお祝いを伝える。新郎新婦は英語ができるようだった。来週は、新郎の家でもう一度結婚式をするそうだ。

関係者と挨拶を交わして、式場(新婦の実家)を離れた。帰りがけに近くにバリ人が住んでいる村があるので行って見ますかと聞かれ、訪ねてみる。村の入り口には、例のヒンドゥーの割れ門があり、そこからが、バリ人のヒンドゥーの村。道端のヒンドゥーの家で、別の結婚式をしていた。車を止めて、許可を貰って中へ入り、こちらの結婚式も見学させてもらう。

バリの家は、大小、簡素か立派か差はあるが、各家々の庭にヒンドゥーの寺があり、ここでは、お供え物がたくさん飾られた露天の祭壇の前で式が行われていた。こちらの二人も幸せそうだった。式を執り行っている人たちも、我々を歓迎してくれているようだった。

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  お供え物がたくさん飾られた露天の祭壇の前での結婚式

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  こちらの二人も幸せそうだった Be happy と言って握手して祝う

その後、村のヒンドゥーの寺に行ってしばし休息。この島のバリ人は、1993年、当時のインドネシアの政策の一環として、錫鉱山の労働者として人口の多いバリ島から、この島に60人移住してきたそうで、今では人口600人になっている。先日、ビーチの大きなの施設の前で見たヒンドゥーの踊りの男たちは、このバリ村の人たちだそうだ。宗教が違っても仲良くやっているが、宗教の違うもの同士の結婚はまだ難しいようだ。
# by harmonynews | 2012-10-21 12:03
10月18日 ベリトゥン島、マンガーから Tanjung Kerayang Belitung へ

10月16日、朝4時半に起きて、5時過ぎ、ラリーコミッティーのホスピタリティーが抜群だったベリトゥン島マンガーのアンカレッジから抜錨。同じベリトゥン島の北西、タンジュンケラヤンへ向かう。

ベリトゥン島は、東西南北40マイル以上の島なので、それでも神奈川県の3倍はありそうな島だ。タンジュンケラヤンはマンガーから反時計回りで走り、島の北西端、65マイル先に位置する。明るいうちに目的地へ着くには、早朝の出港になる。

セールインドネシアラリーの朋友艇、「ソーラープラネット」(SP)も一緒に出港して、同じケラヤンを目指す。このあたりは浅い海だが、SPは、浅い島寄りのコースを走るので、先行する。北側へ回り込むと、ハーモニーの機帆走のスピードが勝り、SPを抜く。昼過ぎ、約1時間、ほとんど前が見えないほどの激しいスコールに襲われる。

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先行する朋友艇ソーラープラネット

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  激しいスコールに襲われた

タンジュンケラヤンの沖合いに到着すると、10隻ほどのヨットがすでにビーチの前に錨泊していた。
その集団のはずれに1530投錨。SPも遅れて近くに投錨。

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  タンジュンケラヤンの海岸の奇岩

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  ケラヤンのアンカレッジに投錨しているラリー艇

10月17日朝、ディンギーを下ろして上陸、ラリーコミッティーという男性が近づいてきて、ラリーボートのリストに、艇名、クルーの名前等を記入してくださいと言われる。ハーモニーはリストの35番目あたりだった。少なくとも30艇ほどはここを通過して、先へ行ったということだ。ここへ寄らなかったボートも結構いるはずだ。

スーパーで買い物をしたいと頼むと、タクシーで27km離れた町へ行けば、スーパーや、ローカルマーケットがあるというので、午後のタクシーを予約してもらう。

午後、コミッティーのスタッフの英語ガイドが付いて、タクシーでタンジュンパンダンというこの島最大の町へ出かける。ローカルマーケット(野菜や魚を売る小さな店が集まったところ)で野菜とエビを、近くの古い大きなスーパーに寄り、パン、ジュース等を調達。その町の港を案内してもらってケラヤンのビーチへ戻る。

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  タンジュンパンダンの市街

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  こんな大きな木製の貨物船?もあった

日本人女性が乗ったヨットが停泊中というのでディンギーで行って横付けして、夕食に誘う。彼女は、オランダ人のラリーヨットにバリから乗って来たWさん。明日ここでヨットを降りて飛行機でバリへ戻るそうだ。

夕食後、ここのコミッティーから誘われていた、カスタムダンスを見に出かける。昨年のセールインドネシアのメインイベントがここで行われたので、その開催場所として建設されたという立派な施設が近くのビーチにあった。その前庭での地元中学生男女による、農作業や漁の小船を漕ぐしぐさの踊りが、新鮮で印象的だった。

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  中学生による、農作業のようなローカルダンス

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  中学生の男の子による船を漕ぐしぐさの踊り
# by harmonynews | 2012-10-18 11:37
10月16日 ベリトゥン島、マンガー

10月14日、朝6時過ぎ、近くに投錨していたラリーの朋友艇、シーイーグルからVHFで、0800にマンガーの港へ上陸すると、ラリーコミッティーが朝食を用意していて、そのあと、町を車で案内してくれるとの連絡が入った。

0730ディンギーを下ろして、かなりの距離の海上を揺れながら走り、漁港らしい川に入って行って、漁船の脇にディンギーを係留して、上陸。数人のローカルコミッティーのスタッフがいて、すぐにボックスに入ったナシゴレン(焼き飯)と目玉焼きの朝食と飲み物が配られた。

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  マンガーの町の川をさかのぼると船着場があった

暫らくして、数人の他のラリーボートのメンバーと一緒に、町をドライブ。高台の海の見えるカフェでコーヒーを飲む。この町には大変多くのコーヒーショップがあるとガイドブックにあったので、ガイドしてくれている地元スタッフに聞いてみると、この町には1001軒のコーヒーショップがあると誇らしげに話してくれた。この地方でコーヒーがそれだけ収穫されているのかと聞いてみると、そうではなく、この町の人は、コーヒーを飲みながらくつろぐのが好きだということらしい。

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  丘の上のコーヒーショップ テーブルごとに屋根がついている

鳥の鳴き声を競う国際コンテストが開催されているので見に行きますかと聞かれ、もちろん行きますと答え会場へ向かう。きれいな中学校の校庭に大きなテントを張り、その下に、鳥の入った鳥篭が吊るされている。その下に10人ほどの審査員が耳をそばだて、鳥のなき声、姿、色などを審査している。

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  鳥の鳴き声コンテスト

そのうちに、最優秀鳥が決まったらしく、その鳥の下のグランドに、何本もの旗が立てられた。テントの外で、固唾を飲んで、審査結果の待っていた、その鳥のオーナーは大声を上げて喜んでいた。鳥の種類によっていくつもの賞があるらしく、優勝賞品のヤマハのバイクや日立の洗濯機の飾られていた。

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  優勝した鳥

その後、ビールや卵を買いにショッピング、大きなローカルマーケットで、野菜も調達。ランチは小さな湖の畔の、高級インドネシア料理レストランで。私にとっては、スパイシーすぎるインドネシア料理には少し腰が引けていたが、ここの料理は、シーフードでかなりマイルド。大変旨かった。

その晩のディナーは、ここのローカルガバメントが所有しているという、丘の上の迎賓館のような建物の中で、シーフード中心の料理。10人ほどのラリーメンバーと一緒に食事をしたが、ヨーロッパ人は、ここは200年以上前のコロニアル建築の建物だといっていた。

10月15日、今朝もまた、朝食がコミッティーから提供されるというので、昨日の岸壁へ行って見ると、誰もいない。暫らく待っていると、大きなプロ用のカメラを持った人と、女性が乗った車がやってきて、どこから来たのですかと聞かれる。

日本からだが、4年前タイから出港してヨットで世界一周しているところですなどと話をしていると、彼らは、ジャカルタから来たテレビ局のスタッフで、この町でいろいろなイベントがあるので取材に来ている。セールインドネシアに参加している我々を取材したいという。レポーターの女性のインタビューを受けながら、カメラマンがカメラを回し始める。

ラリーコミッティーのスタッフが来て、今日はお弁当はないので、近くのコーヒーショップで朝食を食べましょうということになった。テレビ局の車に乗って近くのコーヒーショップへ移動。コミッティーのスタッフもバイクで一緒に移動。コーヒーとトースト、ドーナツが出てきて、インタビューの続き。

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  奥の二人がテレビ局の人、杉原の両隣がローカルコミッティー

ヨットハーモニーを取材したいというので、OKと答える。彼らは急遽地元のモータークルーザーをチャーターして、我々のディンギーと一緒に走り、ハーモニーに横付け。ジャカルタから来たという別のライターも加わって、カメラマンと2人の女性がハーモニーに乗り込んで、その日の午前中は、彼らの取材を受ける。

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  モータークルーザーをチャーターして、我々のディンギーと並走

ラリースタッフの話では、丁度この時期、このマンガーで、国際ヨットラリー セールインドネシア、鳥のなき声コンテスト(これも国際コンテストだそうだ)と、リオンダンス(高さ2mほどの何本かの固定されたポールの上でアクロバッティックに踊るチャイナ風獅子舞)の国際コンテストが開催されているので、ジャカルタの中央テレビも取材班を送り込んでいるそうだ。

そういえば、今朝、船着場の近くでドラや太鼓の音がするので行ってみると、中国風仏教寺院の庭で、リオンダンスの練習をしていた。

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  リオンダンスの練習

今日のランチも、昨日と同じ、湖の畔のレストランでご馳走になる。今日の料理も昨日とは少し異なり結構いけた。午後、軽油が無償で100L提供されるというので、軽油の入ったポリタン5つをハーモニーへ運ぶ。

その晩の夕食は、昨晩のローカルガバメントの陸の上の館。その席で、我々が錨泊したアンカレッジの近くから川が町のほうへ繋がっているが、そのあたりに将来マリーナを建設するマスタープランを詰めているところで、ヨッティーの皆さんからも参考意見が欲しいという、話がローカルコミッティーからあった。

その後リオンダンスのオープニングセレモニー会場へ行き、中央の貴賓席の壇上から見物。きれいな女性が何組も着飾って、会場の真ん中で次々と踊る。途中、我々も踊り子にスカーフで首を巻かれて会場の中央へ引っ張り出され鼻の下を長くして一緒に踊る。最後に2匹の獅子が出てきて、美女たちと一緒にパフォーマンス。ここの踊りは、東部インドネシアや、バリの踊りとも趣が違う。

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  リオンダンス国際大会の開会式

リオンダンスは、明日から、数十組のチームによる国内大会が始まり、選ばれた国内のチーム数組が国際コンテストに出場できるそうだ。たまたま貴賓席にマレーシアからのチームの関係者がいて、しばし話をする機会があった。彼らはマレーシアチームが優勝する。日本にも横浜のリオンダンスチームがあって、どこかの大会であったことがあると話していた。

ラリーコミッティーには、予算も潤沢にあったのか、結局、毎日3食、食事をセットしてくれ、軽油100L、ビール2ケースも無償で提供してくれた。ここのアンカレッジはよく揺れてよくないが、無償提供も含め、スタッフのホスピタリティーは、今までのセールインドネシアの帰港地の中で最高だった。
# by harmonynews | 2012-10-16 13:12
10月13日 カリマンタン、ゲラム島から Bellitun島、Manngarへ

10月12日朝、ゲラム島のアンカレッジで、ハーモニーの近くで飛び跳ねたりして遊んでいるピンク色のイルカ2頭を見た。ピンク色のイルカは珍しい。しかも水深6m前後の浅い海で。

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  ゲラム島のビーチの沖合い

午後1400、カリマンタンの南西の先端近くにある、小さな島(それでも伊豆の三宅島ほどはある)、ゲラム島のビーチの沖合いから抜錨。ボルネオ島とスマトラ島の間のカリマタ海峡を西へ横断して、日本の総面積の1.25倍はあるという大きな島、スマトラ島の南西にある、ベリトゥン島の北西、マンガーという町をワンナイトで目指す。距離は120マイル。

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  右の大きな島がボルネオ、左がスマトラ  その中間の島がベリトゥン島

翌日10月13日、昼前にマンガー近くにある、Sadung島の風下でアンカーを打ち、ロンボク島の湾で座礁して傷めた舵の状況を再度チェックしてみる。特に問題はなかった。昼飯後、ベリトゥン島の町マンガーに向かい、2時間ほどでマンガーの沖合いに到着する。

マンガーの沖合いには、小さな島がいくつもあり、かつどこも水深10m以下と浅い。北側から島に沿ってゆっくり南下しながら、水路を探る。ラリーコミッティーからサムラキで配布された立派な Destination Charts や、ナビオニックス(電子海図)には、7箇所にブイが打ってあってそれを参考に航行すればいいことになっているが、ブイは見当たらない。水深は、5m、3mとさらに浅くなってくる。

海岸沿いの南のほうにヨットが6隻ほどアンカリングしているのが見えるので、海図の浅瀬を避けながら、そちらのほうへ近づき、他艇との感覚を取って、1500投錨。

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  マンガーの町の沖合いに投錨 

ここは、南と東にオープンで、折からの南東の風をまともに受け、波が高く、アンカリングしていても、船はよく揺れ、居心地よくない。その晩は、一晩中揺れて最悪だった。
# by harmonynews | 2012-10-13 12:39
10月11日 カリマンタン、クマイからゲラム島へ

10月10日、5日間過ごした川沿いの町、クマイのアンカレッジから1000抜錨。カリマンタンの南西にある小さなゲラム島のアンカレッジを目指す。

右手に例の燕のビルのあるクマイの町を、左手にジャングルを見ながら、川幅2kmの川を南へ下る。20分ほど下ると、左側のジャングルが一部切れていて、例のオランウータンの看板があり、オランウータンのフィーディングポイントのある支流への入り口が見える。

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  大きな川沿いの町クマイの前のアンカレッジから出港する

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  クマイの町が遠ざかる 例の燕のビルも見える

その前を通過し、下流へ。川をさかのぼって入港してきたときの航跡を辿りながら、また、岸の両岸に所々敷設されている道標も頼りにしながら水深のあるところを選んで走る。途中大量の木材を積んだ大きな艀(はしけ)とそれを引くタグボートを抜く。艀は2~3ノットのスピードで走っている。

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  大量の木材を積んだ大きな艀とそれを引くタグボート

川の出口あたりで、浅瀬が若干蛇行しているあたりを注意しながら通り過ぎると、後は広い海だが、カリマンタン南部は広く浅い海面が広がっている。岸が低くて沖からは見えにくい上に、数十マイル沖へ出たところでも水深8~10mと浅い。そのあたりを少しず沖へ出しながら、かつ西へ針路を振りながらカリマンタン南岸に沿って西進する。

夜中、2100過ぎ、はるか前方に船の航海灯と思われる明かりを見つけた。注意しながら見ていると、かなりゆっくり近づいてくる。通常、海上で船が行き交う場合は、20~30分くらいで、通り過ぎてしまうが、この明かりは2時間半ほどかかって近づいてきた。近づいてよく見ると、同じ方向へ走っている、例の木材を山ほど積んだ艀とそれを引いているタグボートだ。

ハーモニーが5ノット、この艀は3ノットほどで航行しているようなので、約2ノットで追いついて、追い越したというわけだ。しかも引かれている艀の方にはなにも明かりがついていない。

昼見たタグボートにはジャカルタと書かれていたので、この木材もこのままジャカルタまで、数日かかかって運ばれて、ジャカルタから日本などへ輸出されるのだろう。クマイにいる間だけでも、木材を積んだ大型艀を10隻以上見かけたので、かなりの量の木材がカリマンタンの奥地から出荷されているようだ。

翌朝、カリマンタンの南西をかわし、北へ針路を取り、浅い海を東へゲラム島のほうへ幾つかの島を避けながら入ってゆく。水深4~5mの海を1時間ほど進み、ゲラム島の西側の三日月状の湾の真ん中、陸から2km以上沖合いの、水深6mのところに1100投錨。浅いのでこれ以上は陸に近づけない。陸まであまり遠いので、ディンギーで上陸する意欲が沸かない。
# by harmonynews | 2012-10-11 18:13